2009-03-12 telephone 写真 「おまえは機関手にはなれねえよ」と親父は言った。「どうしたって無理だ」 ぼくが、その親父をにらみつけると、親父は「汽車は線路の上を走るもんだが、この世の中にはおまえだけの線路なんかありゃしないだろ?」と言うのだった。 親父は人間の線路というものが、必ず誰かに作られるものだと思ってるらしかった。 (寺山修司「アダムとイヴ、私の犯罪学」)