フィクションの条件

ファンタジー世界の脱中世化 を読んで、大学の授業で聞いた話を思い出した。
「探偵小説」を生んだのは、近代の都市だ。探偵の活躍には、犯行現場となる「密室」と、犯人がそのなかに身を隠す「匿名の群集」が必要だった。近代に至るまで、日本には密室がなかった。部屋と部屋は、障子で仕切られていただけだったから。全国から人が集まり、隣に誰が住んでいるかも分からないような都市で、犯罪が起こる。
最近聞いた インターネットラジオ BS@もてもてラジ袋 過去放送 で、風間一輝という小説家が話題になっていた。ハードボイルド小説を書く人だそうだ。日本を舞台にしたハードボイルドでは、銃が使えない、その制約を克服するために、主人公が例えば元サッカー選手で、なんか蹴ったりして敵を倒す、とか。
フィクションの条件ってのは、考察されるべき面白いテーマだなー、と思ったのでした。