「むし齒がいたむんです。」 看守は、けげんそうな顔をしながら、次の部屋の監視窓の方へ去つて行つた。看守が、そんな汚らしい作業をやつている清作を見たのは、二度や三度ではなかつたからである。だが清作は、看守が去ると、ふたたび指を口のなかに入れて…
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