造物主[デミウルゴス]は――と父は言った――天地創造を独占したのではない、創造はすべての精神の特権である。物質は無限の繁殖力、無尽の生活力を、そしてまたわれわれを造形へと誘う誘惑の力とを兼ね備えている。物質の奥底ではそこはかとない微笑が形づくられ、緊張が生まれ、形成への試みが凝縮している。涯知らぬ可能性は物質全体を波打たせ、かすかな振動となって彼女(物質)を貫く。精神の生命を吹き込む息吹を待ちながら、彼女は自らのなかで際限なく溢れ、盲目の夢に立ち現れる数千の甘美な丸いもの、柔らかなものによって招き誘う。
ブルーノ・シュルツマネキン人形論あるいは創世記第二の書」