断片

生まれて初めて、ナマで、宮台真司の話を聞いた。江戸糸あやつり人形座「マダム・エドワルダ ―君と俺との唯物論―」という芝居を見たのだが、上演後トークのゲストだったので。うん、宮台がゲストだったから見に行ったのだ。芝居はあんまり面白くなかった。バ…

宮崎学「ヤクザに弁当売ったら犯罪か?」

昨今の日本社会における暴力団排除の流れを批判する書。悪い奴らを排除するのはイイコトだよね、とか言ってる場合じゃないだろ、という話。国家がアウトローをいかに活用しているか、という話題は以前に書いたが、そのへんの興味があって読んでみた。近代国…

「僕はまったく貴女を愛しておりません」

ロシア後期象徴派の小説家・詩人であるアンドレイ・ベールイは、モローゾワ夫人なる女性に、2年間にわたって匿名で手紙を送り続けたそうな。 貴女が誤って僕の愛を理解するのではないかと恐れるのではっきり言います。僕はまったく貴女を愛しておりません。 …

長回しに暗闇が見える

アルフォンソ・キュアロン監督「トゥモロー・ワールド」(原題:Children of Men)、45秒以上のショットすべて。最長6分16秒とのこと。 Children of Men - every shot 45 seconds or longer on Vimeo しかしこれはCGで複数のショットをつないでいるらしい。…

暴力、国家、暴力以前/人材派遣会社としてのヤクザ

萱野稔人『カネと暴力の系譜学』は、ドゥルーズ、フーコーあたりを参照しながら国家や資本主義を分析していく本で、かなり噛み砕いて分かりやすく書かれている。序章では、軽い語り口で下記のように問題設定がなされる。 1.誰かからカネをもらう。 2.み…

代官山の蔦屋書店に行った

ツタヤでコジャレ死することになるとは…。 採算度外視の贅沢空間であるという噂を聞いて、代官山蔦屋書店に行ってみた。2011年12月にDAIKANYAMA T-SITEなる商業複合施設がオープンして、そこのメインが蔦屋。旧山手通り沿い、エジプト大使館・デンマーク大使…

運の悪さはあなたの責任

大澤真幸が「道徳的な運」について述べている。ある行為が道徳的に善とされるか悪とされるかは、運に左右されるものだという。いくら善き動機から行ったものであっても、それがたまたま悪い結果に至ったならば、道徳的に非難されるかもしれないし、逆もまた…

古典の拡大解釈、正しい解釈

「現代思想」の本に固有名詞が出てくるときには、それはコノテーションを伴っているので、そういう文脈を知っていないと読み取れないことがある。ただ、英米系、分析哲学系の固有名詞だとコノテーション少なめで、『未知との遭遇』では意図的にそっち系を引…

名について

犬は名を知らない。おれはタロー、あいつはシロ、こいつはポチ、などというふうに認識しているわけではない。彼は名を聞いているわけではない。ただ、呼び声を聞いているのだ。人の発する音声のなかから、自分への呼びかけを聞き分ける。振り向き、走りより…

自由と生存のメーデー 09

http://mayday2009.alt-server.org/ に行ってきた。 外付けフラッシュって、普段は使う機会がないけれども、今日は役立てたぜ。 公式サイトの記述によれば、「17:45 デモ出発 19:00 到着」という予定だったらしいけど、出発がほぼ予定通りで到着が19:45ごろ…

自由論(下)

(承前) 5. 「物語」への没入 一日で職場を後にする者がいる一方、踏みとどまる者がいる。過酷な環境で3年間にわたって働き続けている人物が自らの体験を綴ったノンフィクション(ということになっている本)を、参照してみよう。2ちゃんねるに書き込まれ、…

自由論(上)

0. 3/4oz = 21.2621423g ためらっているうちに、ずいぶん時間が経ってしまった。 後悔という感情だけは、とてつもなくリアルだ。嬉しいとか悲しいとか、好きだとか嫌いだとか、何が食べたいとか、綺麗だとか醜いとか、敬愛とか軽蔑とか、何が欲しいとか、そ…

Googleストリートビューは究極のストリートスナップだ

とか言ってる人がいるかいないか知らないが。街の隅々まで全ての道の画像が閲覧できる、って、もっと楽しいかと思ったんだけど、そうでもないな。やっぱり写真らしい写真のほうが面白い、という普通な感想。しかし問題なのは、ストリートスナップって基本的…

自分には人間性が欠けているのではないか(という中学生的な甘い絶望感)

http://d.hatena.ne.jp/purr_purr_purr/./20080729/1217347135を読んで、思い出してしまった。ここで自分の小学生時代のエピソードを詳らかにしたりはしないけど(恥ずかしいからというより文章にするのがメンドクサイから)、私は自分の過失で他人に損害を…

「鹿政談」と――奈良奉行は誰を恐れるのか

「鹿政談」という落語がある。当時、奈良では鹿が非常に大切にされており、鹿を殺めた者は死罪になるほどであったという。ある朝、豆腐屋の店主が犬と見間違えて鹿を殺してしまう。お白州に引き出されることとなった店主。しかしこの被告人、なかなかに善良…

原因という観念の超越性

ある出来事の起きた時点E1の意味が確定するのは、それよりものちの時点E2から振り返ってみたときである、という大澤の論に言及したのが昨日のエントリ大澤真幸『逆説の民主主義』 - 或いは、然し。E1、E2、Enといった出来事の連鎖が一定の説得力を持って記述…

大澤真幸『逆説の民主主義』

http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20080723#p1で紹介されていて、面白そうだったので、読んだ。逆接の民主主義 ――格闘する思想 (角川oneテーマ21)作者: 大澤真幸出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/04/10メディア: 新書購入: 3人 クリッ…

「中国問題がナショナリズムのシンボルとして用いられる所以」

中国問題がいつも外交問題というよりは国内問題の観を呈するのは、私見によれば、それが近代日本におけるアイデンティティの問題に深くかかわっているからだと思われる。西欧列強の圧力の下で、海国―近代化の道程を歩むことを余儀なくされたペリー以後の日本…

執筆者の愛が感じられるWikipediaの記事

google:site:ja.wikipedia.org 言うまでも無い で検索すると見つかるような気がするけどそうでもないかもしれない。

「親は子供を愛している」幻想とナショナリズム

「親は、子供を愛しているものだ」という説が、これほどに広く囁かれていることには、驚かされる。もちろん、事実としては、「子供を愛する親もいるし、そうでない親もいる」。そんなこと、ニュースをちょっと見ていれば分かることで。ネグレクト、虐待、子…

女には「処女」と「淫乱」の二種類しかないことを実感するとき

職場(男女比9:1ぐらい)で、ほもそーしゃるなシモネタで雑談してるとき。あの会話に女性はとても加わりにくいし、加わるとしたら、職場で行われる雑談には似つかわしくないほどにエロティックな雰囲気が漂ってしまうことだろう。じゃなかったら、グロテスク…

私は神を選べない

というか、選べるならばそれは神ではない。聖書とコーランと仏典を読み比べてみて、妥当性合理性を比較検討して、よし、この神様を信じよう、というのでは、信仰が信仰たりえない。(それではまるで、仮説を比較検討する科学者ではないか)。私は、奇跡を通…

すべてのエントリにカテゴリつけたーよ

以前にやってたブログで、カテゴリをまったくわけずに2年間ぐらい書き続けていたのだが、今度のブログは違うぜ!てことで、てきとうに漢字二文字で付けてみた。無計画。いや、でも、カテゴリ分類していなくて困った記憶も、特に無いんですけどね。

タバコに多めに税をかけること

J.S.ミル『自由論』は、かなり抽象度の高い書物なのだけれども、「タバコや酒に多めに課税することはOK」なんて書いてあって面白かったのを思い出した。それを多量に摂取することが健康に悪影響を及ぼすことが明らかなものについては、その消費を抑制するイ…

震度六強なのにブログ更新なんて

ふきんしんだー!

特殊性はむしろ、単独性を覆い隠す。

逆に、平凡さが「かけがえのなさ」を際立たせる、という面が在る。他の誰かでもまったくもって構わないはずなのに、なぜ、よりにもよって、私なのか?写真は誰にでも撮れる。たしかにそれは、圧倒的に「表現」ではある。撮影者の個性が刻まれた写真がある。 …

今この瞬間にも世界のどこかで何の罪もない子供たちが

一本の注射が、安全な水が手に入らないがために苦しみ死んでいるというのに、へらへらブログ更新してるなんて ふきんしんだー! ふーきーんーしーんーだーー!

献花台の前で悲しんでいる人を写真やら映像で記録すること

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://ameblo.jp/momoi-ktkr/entry-10104915057.html道徳的に非難されるのは当然だし、「人が嫌がることをやってはいけません」という観点から言えば間違いなく「悪」であろうけれども。んなこと言ったら何も撮れない。俗悪な…

はてなのバッファだけ別のバッファ

google:バッファ バッファとは - はてなダイアリー バッファ - コンサートにおいて大人数で前の席へ移動したり、前へ押し込む事。 移動する様がバッファローに似ている事からこう命名された。 モッシュやドリーム以上に危険を伴うので... d.hatena.ne.jp/key…

やっぱりブログってのは書いてみるもんだよ

脳味噌が劣化してるのがよく分かる。